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比留間美代子朗読詩選集
『なみだきらめく』
比留間美代子氏はすでに夫や多くの親しい人を亡くしているが、「なみだ」によっていつでも心が通じ合うように感じ取れる。その心の「奥の奥」の「なみだの壺」から世界中の人びとや生き物たちが「なみだ」を汲み上げて心を洗っていることに共感しているのだろう。そんな「明日につながるいのち」を宿した詩篇を口ずさむように読んで欲しいと願っている。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/192頁/上製本 ISBN978-4-86435-525-4 C0092 |
定価:1,980円(税込) |
発売:2022年5月16日
目次
序詩 なみだきらめく
Ⅰ 慟哭
母の生きた道
命の尊厳
慟哭
アカシヤの花
憂愁の宵
嫁ぎゆく娘へ
キラリ尊いものを見た(日の出町にて)
万有
時は進む
夢
幼児とトカゲ
青い生命が満ちてこぼれて
羊の眼
熱砂の風が吹きすさぶ
Ⅱ 滴
手を振る幼な子
襞が深まれば
滴
泣き笑い
桜花咲く道を通って
ぬくもりの空気
どこまでも歩いていく児
荒野の人
はまゆうの葉と露玉
解けない謎がから廻りする
蒼い空の広さよ
虹色の夢を乗せた故郷の駅
Ⅲ 花とひかり
ゆめまぼろしの人の世は
男は泣いた
夜半のしじまに
石を撫でていれば
手を合わす孫達
新たなる一歩を
寒風
ふるさとの風の音
それぞれの轍
花水木の葉先からの滴り
形見草
花とひかり
チゴイネルワイゼンの曲が高鳴る
伊勢詣で来(古事記より)
Ⅳ 野ばらの変遷
鉄橋の上で見た火の玉
沖縄に散華した叔父
仏前の二つの写真
復興していった焼跡
叔父の散華した地に佇む
魂の叫び
目眩
闊達な日よ蘇れ
湖面に届く声
春嵐の頃
野ばらの変遷
百舌の高鳴き
寂しみが住んでいた
解説 鈴木比佐雄
あとがき